【簡単】誰でもできる業界研究 成長企業の探し方【五大商社の比較】
2020/10/18/091319
投資に興味があるけれど、どの会社の株を買えばいいのかわからず、短期で売買を繰り返して損失を出してしまう人も多いかと思います。そこで、だれでも簡単に成長企業を見つける方法を紹介します。
自分も株式投資を始めたときはよくわからず大企業や身近な企業の株を買っていました。運よく成長してくれたおかげで収益を得ることはできましたが、いろいろな企業を調べるうちに、みんなが知っている有名企業でも業績がボロボロなことがあるとわかりました。今回紹介する内容は、最低限このような危ない企業を避けて不必要なリスクを取らないための方法になります。
※実際に投資をする際は、自己責任・自己判断でお願いします。
成長企業探しの3ステップ
1 業績の資料を集める
まずは気になる企業の業績を調べましょう。ネット証券を利用していれば各社の業績は「財務情報」や「決算情報」などから調べられると思います。もし利用していない場合は各企業のホームページのIRライブラリから有価証券報告書を確認します。
色々なことが書いてあって意味不明だと思いますが、ここで確認したいのはたった2つだけ。「ROE」と「当期純利益」です。この2つの数値を5~10年分集めましょう。
2 当期純利益のチェック
数値が集まったら、当期純利益をチェックしましょう。当期純利益というのはその名のとおり、1年間企業が活動して生み出した利益のことです。当期純利益は順調に増えていますか?余程のことがなければ今まで増えなかった利益が急に増えだすということはありません。企業の成長性を期待するのであれば他の会社を考えましょう。
3 ROEのチェック
次はROEのチェックです。ROEというのは自己資本利益率といって、その会社がどれくらい上手に利益を出しているかの指標になります。あなたが気になった会社のROEはどれくらいですか?東証1部に上場している会社の平均は約10%です。安定してこの値より大きくなければ、その会社は厳しい競争にさらされていたり、経営があまりうまくいっていないのかもしれません。その会社が成長して株価が上がり、それによって収益を得たいと思っているのなら、残念ですが他の会社を考えましょう。
成長企業探しの実例(五大商社)
ここまで理解できましたか?よくわからないですよね。今年の8月に投資の神様ウォーレン・バフェットが株式を取得して話題になった五大商社を例にあげて成長企業かを実際にチェックしてみましょう。
1 伊藤忠商事
財務データはここにまとめてあるものを使いましょう。
https://www.itochu.co.jp。/ja/ir/finance/financial_data/index.html
まずは当期純利益。右肩上がり!順調ですね。
次はROE。こちらも東証一部平均の10%を安定して超えています。
さすが、バフェットに選ばれるだけあって業績もいいですね。
2 三菱商事
次は三菱商事です。おやおや?2016年が赤字ですね。こういうときはニュースなどでその年に何があったかを調べましょう。それが一時的なものであれば問題なし。だけど、新型コロナのように社会の在り方を変えるような出来事だったら要注意です。2016年の赤字を除けば順調に純利益は伸びてそうです。
ROEはどうでしょう?うーん…。ぎりぎりですね。伊藤忠と違ってここ2~3年以外は10%に到達していません。このように同じような会社でも業績を調べると結構違うのが面白いところ。意外な会社が儲かってたりするんですよ。
3 三井物産、住友商事、丸紅
残りの3社も同じようにさくさくと見ていきましょう。
丸紅
どの会社もROEは10%前後なので平均的な利益は生み出せていますが、上がったり下がったりで市場環境にかなり左右されてしまっていることがわかります。
まとめ
このように同じ業界であっても個々の企業の業績は様々です。この業界は伸びそうだからと何となく投資するのではなく、本当に成長性があるかよく見ていくことが大切です。斜陽だと言われている業界にも目覚ましい成長を遂げている有望な企業を見つけられるかもしれません。これをきっかけに企業業績の分析に興味を持った方はぜひ以前に自分が紹介した本も読んでみてください。