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【完全公開】投資先の決め方と収益の計算手順【個別株】

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 個別株に投資してみたいけれど、リスクが大きいし難しそうという話をよく聞きます。今回はこのような方のために、自分が実際に投資先を決めるときの手順をすべて公開します。

 

※実際に投資をする際は、自己責任・自己判断でお願いします。

 

本記事の内容

 

・投資先の候補探し

・株価と収益の計算

・注意点

 

今回紹介する方法は投資の神様、ウォーレン・バフェットの投資方法を参考に作ったものです。

この方法を確立してから、ずっと苦手だった個別株にも自信を持って投資できるようになりました。

 

投資先の候補探し 手順3つ

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手順は以下の通りです。

 

・気になる企業や業界を書き出す

・同じ業界で競合になる3~5社の企業を選ぶ

ROEと純利益のデータを5~10年分集める

 

手順① 気になる企業や業界を書き出す

 

投資先を選ぶときに一番大事なのは、その会社のことをよくわかっていることです。

あなたが気になっている企業や業界を書き出してみましょう。

 

☆思い浮かばなかったら?

 普段使っている物、欲しい物、よく行くお店、ニュースで見て気になった事・・・

 

これらをヒントに企業を探しましょう。

ITとかバイオとかコロナとか・・・難しいことを考えなくても大丈夫です

優良企業は身の周りにあるんですよ。

 

手順② 同じ業界で競合になる3~5社の企業を選ぶ

 

気になる企業や業界を書き出したら、同じ業界で競合になる上場企業3~5社を選んでください。

 

企業をあまり知らない場合は業界地図を見ればOKです。

自分もよく使っています、、、というか必須です!

 

 

手順③ ROEと純利益のデータを5~10年分集める

 

具体例を出しながら説明します。

 

気になる業界

 テレビで携帯代の値下げについてみたなあ ⇒ 携帯電話

 

競合3~5社

 NTTドコモKDDIソフトバンク

 

各社のROEと純利益を調べましょう。

 

(ROE)

 

NTTドコモ

KDDI

ソフトバンク

2020/3 11.1% 14.9% 42.1%
2019/3 12.0% 15.5% 43.9%
2018/3   15.6% 36.6%
2017/3 12.1% 15.9%  
2016/3 10.3%    
平均 11.4% 15.5% 40.9%

※空欄は会計基準の変更や、上場前のためデータが無い年です。

 

東証一部上場企業の平均ROEは10%ぐらいなので、

これより低い企業は長期の投資先からは外しています。

 

携帯業界は利益率が高いので3社ともOKです。

 

(純利益)

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純利益が順調に伸びている会社がGoodです。

 

この3社の中で投資したいのはKDDIです。

他の2社は株価が安いときに買わない限り

インデックス投資より収益は低くってしまいます。

 

 NTTドコモ △ ⇒ 最近下がっている

 KDDI ◎ ⇒ 順調に成長

 ソフトバンク △ ⇒ ほとんど変わっていない

 

☆データの調べ方

 

業績のデータは証券会社のページから見るのが便利です。

自分が使っているSBI証券だと過去10年分のデータを見ることができます。

 

各社のIR情報のページでも見られますが、表示方法が違うのでちょっと不便です。

 

NTTドコモ

 

(ROE) 主な財務指標 | 企業情報 | NTTドコモ

 

(純利益) 財務ハイライト IFRS : 年度データ | 企業情報 | NTTドコモ

 

KDDI

 

(ROE、純利益) 業績ハイライト | 財務・業績 | KDDI株式会社

 

 

ソフトバンク

 

(純利益) ハイライト(通期) | 財務情報 | IR・投資家情報 | 企業・IR | ソフトバンク

 

 

☆面倒くさい・・・

 

そんな人はこちらで紹介する企業から選んでみてください。

難しくない個別株 カテゴリーの記事一覧 - kei blog 0722

 

まだ記事は少ないですが、JPX400と日経225に入っているすべての企業について

短い記事で紹介していく予定です。

 

 

株価と収益の計算

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ここからは有価証券報告書を見て、さらに詳細な計算を進めていきます。

手順は以下の通り。

 

・データを集める

・一株利益を計算する

・株価を計算する

・配当を計算する

 

引き続き携帯業界を具体例にして説明します。

 

気になる業界

 テレビで携帯代の値下げについて見たなあ ⇒ 携帯電話

 

競合3~5社

 NTTドコモKDDIソフトバンク

 

投資先の候補

 KDDI

 

手順① データを集める

 

株価と収益を計算するのに必要なデータは以下の通りです。

結構あります。

 

ROE(過去5~10年分)

・PER(安値、高値)

・一株利益(最新)

・配当性向(過去5~10年分)

 

☆PERの調べ方

PERには色々な種類がありますが、

一番欲しいのは実績PERの最大値最小値です。

四季報で調べるのが一番かんたんです。

 

・実績PER 9.5~12.9

 

 

 

「(企業名) PER」で検索してよく出てくる

予想PERの最大値と最小値や平均値をかわりに使っても構いませんが、

予測の精度は下がってしまいます。

 

☆一株利益と配当性向の調べ方

 

一株利益と配当性向は有価証券報告書から調べます。

 

有価証券報告書/内部統制報告書 | IRライブラリ | KDDI株式会社

⇒  2020年3月期 第36期有価証券報告書

 

・一株利益 1ページ目、基本的1株当たり当期利益(第36期) ⇒ 275.69円

・配当性向  3ページ目、配当性向

       第32期 2016年3月 ⇒ 39.3%

       第33期 2017年3月 ⇒ 40.0%

       第34期 2018年3月 ⇒ 41.6%

       第35期 2019年3月 ⇒ 49.6%

       第36期 2020年3月 ⇒ 47.0%

 

データはこれで以上なので、全部まとめておきます。

 

  ROE 配当性向 一株利益
2020/3 14.9% 47.0% 275.69
2019/3 15.5% 49.6% -
2018/3 15.6% 41.6% -
2017/3 15.9% 40.0% -
2016/3 - 39.3% -
平均 15.5% 43.5% -

 

  実績PER
最小値 9.5
最大値 12.9

 

 

手順② 一株利益を計算する

 

集めたデータを使って来年以降の一株利益の予測値を計算しましょう。

使うデータは以下の3つです。

 

・一株利益 275.69

ROE 15.5%

・配当性向 43.5%

 

(計算式)

来年の一株利益 = 今年の一株利益 × [1 + {ROE × ( 1 - 配当性向)}]

 

少しややこしいですが、今年の純利益から配当金を引いた分だけ、

来年の一株利益が増加するという意味になります。

これを繰り返して10年後までの利益を計算します。

 

  一株利益
現在 275.69
1年後 299.84
2年後 326.10
3年後 354.66
4年後 385.73
5年後 419.51
6年後 456.26
7年後 496.22
8年後 539.68
9年後 586.95
10年後 638.37

 

手順③ 株価を計算する

 

次は株価の計算です。これでキャピタルゲインが出てきます。

 

(使うデータ)

・一株利益

・PER 9.5~12.9

 

(計算式)

株価 = 一株利益 × PER

 

この計算はPERの定義を逆にしてPERから株価を出しています。

計算結果は以下の通り。

 

    株価  
  一株利益 最小値 最大値
現在 275.69 2619 3556
1年後 299.84 2848 3868
2年後 326.10 3098 4207
3年後 354.66 3369 4575
4年後 385.73 3664 4976
5年後 419.51 3985 5412
6年後 456.26 4334 5886
7年後 496.22 4714 6401
8年後 539.68 5127 6962
9年後 586.95 5576 7572
10年後 638.37 6064 8235

 

この記事を書いているときのKDDIの株価は3105円なので、

きちんと現在の最小値と最大値(2619~3556円)の間に入ってますね。

 

10年後の株価の最小値を見てみましょう。 ⇒ 6064円

ということで、株価アップによる利益は10年で2959円となりました。

 

手順④ 配当を計算する

 

最後は配当によるインカムゲインの計算です。

配当の計算に必要なデータは以下の通りです。

 

(使うデータ)

・一株利益

・配当性向

 

(計算式)

配当 = 一株利益 × 配当性向

 

これも配当性向の定義通りの計算です。

結果は…

 

  一株利益 配当
現在 275.69 -
1年後 299.84 130
2年後 326.10 142
3年後 354.66 154
4年後 385.73 168
5年後 419.51 182
6年後 456.26 198
7年後 496.22 216
8年後 539.68 235
9年後 586.95 255
10年後 638.37 278

 

配当は10年間の合計で1959円になりました。

 

株価と収益の計算 まとめ

 

結果をまとめると以下のようになります。

 

・現在の株価 3105円

・10年後の株価 6064円

・10年間の配当の合計 1959円

・10年間の利益 4918円

 

この結果から年間収益を出すと複利で年10%ぐらいになります。

 

注意点3つ

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株価や収益の計算も大事ですが、もっと大事な注意点が3つあります。

 

・一時的な株価の下落では売らない

・他の財務状況も確認する

・企業のことをよく知る

 

注意点① 一時的な株価の下落では売らない

 

この方法で投資先を評価しても、株価が下落してしまうことはあります。

そのときは、以下のどちらかを考えてください。

 

・企業の状況は変わっていない。

・企業の状況が悪化している。

 

企業のファンダメンタルが変化しなくても株価が乱高下することはあります。

このような場合は株価が下がっても持ち続けなければなりません。

 

ファイザーコロナウイルスのワクチンを発表したとき、

コロナ特需を受けていたホームセンター業界の株価は下がりました。

もし特需ではなくコロナ後も現在の業績が続くと考えているなら

このような機会は株を買う絶好のチャンスです。

 

逆に企業のビジネスモデルが崩壊し、衰退していっている場合は

利益が出ていても株価が下がる前に売らなけらばなりません。

 

 

注意点② 他の財務状況も確認する

 

今回の方法は企業や株を評価する方法の1つに過ぎません。

例えば次のようなことも確認しましょう。

 

・純利益に対して長期負債が多い

 

業界によっても大きく違いますが、長期負債が少ない方が有利です。

今回のコロナのように一時的に売り上げが激減しても

負債が少なければそれほど問題なく企業は存続できます。

負債が多いと返済のために設備や事業を売却する必要があり、

その後の収益が下がってしまいます。

 

コロナによって航空業界が大打撃を受けているのは

この負債の問題もかなりあります。

もともと飛行機を買うのにかなりの投資が必要な上に、

飛ばすのにも高いコストがかかるため

利益率が低く負債も多い難しい業界でした。

 

 

注意点③ 企業のことをよく知る

 

投資する企業のことをとにかく調べることが大切です。

B tp Cの企業であれば商品を買ったりサービスを利用したりしましょう。

そして以下のことを考えることが必要です。

 

・その企業、商品、サービスが他の企業より優位か

・企業の優位性は今後も続くのか

 

プロの投資家は財務指標やチャートを見るだけでなく経営者とも会って

投資先について徹底的に調べています。

世界三大投資家の一人、ジム・ロジャーズは、

世界中をバイクで旅して、自分の目で見てきたことをもとに

投資を行ったり世界に提言したりしています。

 

 

これで以上になります。

 

この記事を気に入ってもらえたら、ぜひご自分でも株価を計算してみてください。

 

今後も投資の考え方や、企業や業界を紹介していく予定です。

 リクエストもお待ちしていますので、コメント欄にどうぞ。