kei blog 0722

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【業界研究】水素ステーションとは?【燃料電池】

 

ESG投資など、環境に配慮した経営が求められる昨今。

トヨタやホンダが取り組む燃料電池車の普及のカギとなる

水素ステーションとその運営会社について見ていきましょう。

 

※実際に投資をする際は、自己責任・自己判断でお願いします。

 

記事の内容

水素ステーションとは?

水素ステーションの種類

水素ステーションを運営する会社

・今後の期待

 

水素ステーションとは?

 

水素ステーションは水素を保管し、燃料電池自動車に供給する施設です。

ガソリン車がガソリンスタンドでガソリンを入れるのと同じように、

燃料電池車は水素ステーションで水素を補給する必要があります。

このため、水素ステーション燃料電池車が普及するために

なくてはならない施設となっています。

 

水素ステーションの種類

 

水素ステーションは設置法式と水素製造の可否で大きく分けて3種類に分かれます。

 

定置式というのはガソリンスタンドのような施設、

移動式というのは大型のトレーラーなどで移動できるステーションです。

 

オンサイト/オフサイトというのは水素を製造するか、

それとも保管するだけかという違いになります。

水素は都市ガスなどを改質することで製造することができるため、

定置式のステーションではその場で水素を製造する

オンサイト方式が可能になっています。

 

 

文字だけではイメージも沸きづらいので

YouTube上の動画も見つけてきました。

こちらもご覧ください。

 

①定置式、オンサイト

www.youtube.com

 

②定置式、オフサイト

www.youtube.com

 

③移動式、オフサイト

www.youtube.com

 

水素ステーションを運営する会社

水素ステーションを運営する会社は以下の5社になっています。

それぞれの会社の水素ビジネスの取り組みを見ていきましょう。

 

 〇ENEOSホールディングス

 〇岩谷産業

 〇東京ガス

 〇出光興産

 〇三井物産

 

ENEOSホールディングス

ENEOSホールディングスはガソリンスタンドで有名な

石油元売りの大手会社です。

このような会社は世界的な脱炭素の流れにより、化石燃料から

再生可能エネルギーへの転換が求められています。

このため、その取り組みの1つとして水素ビジネスを行っています。

実際、ENEOSの長期ビジョンの中でもCO2フリー水素の

サプライチェーンを構築することが目標として明記されています。

 

ENEOSにおける水素事業は多岐にわたっています。

余剰電力を利用した水素の製造、海外から輸入する水素の受け入れ基地建設、

全国で45か所の水素ステーション運営、トヨタと共同で行っている

ウーブンシティでの水素ステーションなどです。

長期ビジョンで書かれている通りサプライチェーン全体で事業を行っていることが

わかりますね。

 

水素事業を行うための研究開発も活発です。

水素の製造、貯蔵、輸送、供給に関わる一連の技術開発をおこなっており、

特に事業と近い部分としては水素ステーションの建設・運営のコストダウンを

目指した取り組みを行っています。

また、トルエンからMCH(メチルシクロヘキサン)への電解水素化や

水素とCO2から合成燃料を製造する方法といった

水素の利用に関わる研究開発も行われています。

 

詳しくはENEOSの技報もご覧ください。

www.eneos.co.jp

 

岩谷産業

岩谷産業は産業用ガスなどの取り扱いで歴史のある会社です。

水素ビジネスが出現するはるか以前の1941年から水素の取り扱いをしています。

 

水素のシェアは国内1位で、液体水素は100%、圧縮水素は70%もの

シェアを誇ります。

運営する水素ステーションは国内53か所にもなります。

 

水素に関する研究開発の目標としては、水素ステーションの整備、

水素エネルギーとアプリケーションの開発、船舶向け水素ステーション

オーストラリアの未利用褐炭からの水素製造などがあります。

具体的な取り組みとしては、水素ステーション建設コストのダウンや

安全性向上に向けた水素適合材料の評価、水素ガスの計量と品質管理などの

手法に関するものがあります。

 

ENEOSとの違いは、バスのような大型車向けなど水素が大量に消費される

社会を見据えた研究開発に重点を置いている点ではないかと思います。

 

東京ガス、出光興産、三井物産

これらの3社はENEOS、岩谷と比べると相対的に小規模になっています。

 

運営する水素ステーション東京ガスが4か所、出光が2か所となっています。

三井物産アメリカ(FirstElementFuel社、カリフォルニア)やニュージーランドなど

海外で水素ステーションを運営しています。

 

研究開発については、東京ガス三浦工業と共同で開発した

小流量向けの水素発生装置「Suidel」があります。

半導体や金属・化学メーカー等をターゲットとした製品で、

東京ガスの水素製造技術とオンサイト水素供給の知見、

三浦工業の都市ガス高効率利用、水処理、省電力化の技術が

融合することで実現できた製品となっています。

 

www.tokyo-gas.co.jp

 

今後の期待

水素はまだ研究開発段階のため未成熟な産業です。

しかし、太陽光などと異なり化石燃料の主な用途である

「電力」「燃料」「原料」の全てを代替可能なポテンシャルを持っています。

今後数年では太陽光発電+電気自動車の組み合わせが

再生可能エネルギー関連事業の主流になると考えられますが、

化石燃料の「燃料」や「原料」用途の代替として長期的には

水素ビジネスは大きく発展するのではないでしょうか。

 

以上になります。